本文へ移動

動画で勉強

バックナンバー

ローリーマキロイ④最終章
2014-09-30

マキロイ選手(以後敬称略)スイング解説最終章です。前回は腰のツイストについて「そんなん出来ます?」で終わっていましたね。私の見解です・・・。はい、そんなん出来ません!

だって、腰を「ツイストさせて打っている」のではなく、腰にツイストが「おこっている」だけだから・・・??

(ここからの解説は、活字での説明が難しかった為、いままで以上にマニアックかつ分かりにくく長い説明となってるかもですが、ご容赦ください。)

マキロイの強烈なスピードで降りてきた腰や下半身の位置は、上下の捻じれ差を保っているのもあり(←ここ重要)、人より早い段階で骨格上でのロックに近い状態となります。ここまでは、(あくまで)簡単に言えば「振り遅れた状態」です。通常この振り遅れを嫌い、無意識にダウンスピードを調整するか、早めに捻じれをほどき始めるか、手のローテーションでインパクトに間に合わせるか、が普通です。ところがマキロイの非凡なところは、振り遅れを全く恐れることなく回転スピードを上げ、そこから手先を使わず腕を上体に引き付けたままのショルダーターンで、更に前傾を保って、インパクトに間に合わせています。その際に、強靭な腹筋/背筋/脚力が、下半身を上半身側に勝手に戻そうとする現象が起こります。それが、ツイスト現象を「おこしている」のです。

また、人によりツイストがおこる理由もそれぞれで、マキロイやダスティンジョンソン選手(彼もよく見ると若干ですがツイストがおこってます)などは、強いてタイプ別するならば「人より早いダウンスピードと、それを揺り戻す筋力によるもの」のタイプです。更に、ダウンスイングのパワーをインパクトゾーンに圧縮するのか・解放するのかでも分かれます。圧縮はインパクトをなるべく体の正面でとらえたい思いと、降りてきたパワーをヘッドターンに集約したい思いで、下半身の勢いがインパクトゾーンで上半身の回転へと入れ替わり、ツイスト現象がよりおきやすくなります。解放は降りてきた回転スピードをそのままフィニッシュまで使い切る為、ツイスト現象が少なくなりやすいです。マキロイとダスティンは、「早い回転スピード」と「強い筋力」までは同じ理屈で、マキロイが圧縮タイプ・ダスティンが解放タイプの違いで、ツイストの量が変わっているのだと思われます。一方で、女子選手になってくると「筋力によるもの」の傾向が少なくなり、チェナヨン選手などは「圧縮によって」で、森田理香子選手などは「早いロック状態によって」とでも言えるでしょうか。

いずれにしても、ツイストが良い悪いではなく、ツイストが「おこった」と「ツイストして打つ」では、大きく意味が異なってくるという事です。人によって「まぁ、おこってるね」程度でいいのです。事実、マキロイ本人も某雑誌で「ツイスト?意識はした事ないけど・・・インパクトまで両膝の向きが変わらない様にはしてるかな?」的な発言をしていました。

<総括>

ここがゴルフスイングの難しいところではありますが、何かを意識したら良くなったという時に、その意識部分のおかげで良くなっている場合と、そこを意識した結果→他の部分が良い様に作用した場合、が有り得るのが厄介なのです。例えば、「ツイストして打ったら良くなった、こりゃイイっ!」という方も、そこの意識のおかげで無意識に→バックスイングでの右股関節の引けが治っていたり・ツイストに間に合わせようとして上体と下半身の連動性があがり、球のつかまりが良くなったり・前傾の起き上がりが無くなっていたり、などなど・・・実は意識以外の部分に好効果をもたらし、結果が良くなっている場合があります。そういった意味では、その結果がイイうちは「ツイスト打法アリっ!」という事になるのです。ただ、そのアリな仕組みを理解しておかないと、「腰を戻す意識で打っておきさえすればイイんだっ!」では、結果が悪くなった時に負のスパイラルに陥るのです。もう一度言っておきます。マキロイ選手らの「それ」は、正しい動きと・筋力の「結果」なのです。

解説:稗田貴彦(HGAチーフインストラクター)

ハヤシゴルフアカデミー
〒861-5526
熊本県熊本市北区下硯川1丁目7-81 サンバレーゴルフプラザ内 TEL.096-359-1600
・ゴルフレッスン
TOPへ戻る